流々転々ruru-ten-ten
〜ある生産管理の担当日記〜
4.【生産管理をとりまく仲間(?)たち】
私たち生産管理部門をとりまく社内の諸部門を紹介しよう。営業、開発、技術、生産、物管、倉庫である。
【営業】
営業とは、そのまま、営業部門である。法人営業を想定してもらいたい。営業は、毎日、オーダーを持ってくる。営業も、端末から在庫状況を把握できるので、在庫が無いオーダーであれば、電話で事前に相談してくる場合も有る。しかし、多くの場合は、一方的にオーダーを入力してくる。法人営業であるため、営業担当者の数は多くはない。私の所属していた生産管理部門と、直接やりとりをしていた営業は、10名ほどだった。営業が注文端末から入力したオーダーは、翌日には、私たち生産管理部門のデータベースに集計される。
【開発部門】
開発部とのやりとりは、新製品もしくは現行製品の改良品が出荷され始める頃に多くなる。まったくの新製品の場合は、オーダーの取り扱いも慎重になる。どの製番を、どこに出荷するか、完全に関連付けされているため、過去に誤って別のお客様に出荷してしまったときには、迷惑をかけてしまった。製品名、図番もまったく同じなのに、製番が違えば、中身が異なることを、あまりよく理解できていなかった時代のことだ。
また、開発部のほかに、技術部もある。技術部と開発部を区別することは、初期の段階では、難しいことだった。技術部のお世話になるときは、部品供給元メーカの変更による製品内部の部品変更により設計に変更が生じた場合や、機能変更に伴って製品に添付する説明書をバージョンアップする際などに、一緒にお仕事をする機会が多くなる。
【生産部門】
生産、といった場合、私たちの工場では、主に製造管理部を意味する。製造管理部は、製品の生産活動の進捗状況の把握と管理を行っている。初期ロット品など、緊急度や重要度が高い場合は、私たち生産管理部門も進捗状況の把握に関わるが、基本的には、製品の製造に必要な部材を集め、生産し、品質チェックを終えて倉庫に納入するまでは、製造管理部にお任せしている。工場内では、大きな権力?を握っている。生産部門が「できない」といえば、できないのである。しかし、私たち生産管理部門にしてみれば、「できない」では「こまる」のであり、それを「なんとかする」のが、重要な仕事のひとつだった。どのように「なんとかする」かは、企業秘密であるので、ここでは記述を避けさせていただく。
【物管部門】
物管とは、物流管理部門のことで、生産部門が倉庫に入庫した完成品を出荷する手続きをする。出荷状況に問題がない場合は、連絡がこない。しかし、年度末の集中出荷や、ブームが来たときの出荷は、それこそ何万個という製品を、顧客企業へ出荷するときには、それはもう、ものすごい騒ぎになる。年度末などは、応援部隊の一人として、出荷のお手伝いに活かされたことも、しばしばあった。コンピュータ上の出荷状況をディスプレイで確認し、カーボン用紙に打ち出された出荷予定伝票と照らし合わせながら、担当印をバンバン押していくという作業も行った。
【倉庫】
倉庫は、そのまま、倉庫である。物流管理部門が、倉庫の担当である。「在庫を少なく」を人生の最大目標にしている点において、私たち生産管理部門と、一番近いのが、物流管理部門であり、倉庫でもある。工場から車で30分ほどの場所にある。小さな遊園地ほどの敷地に、小学校の体育館ほどの建物が、3つ、4つほど、建てられている。
倉庫の奥に行けば行くほど、あまり売れなくなった製品が目に付くようになる。通常は、1週間から長くても4週間のサイクルで、商品は倉庫に入庫されては、お客様の納入先へ出荷されることになっている。しかしながら、営業が「売れる!」といって、手配はしたものの、お客様都合で不要となり、次の需要があるまで、倉庫で眠りっぱなしになっている製品も、少なくない。製品によっては、温度や湿度の管理が厳しいものもあり、こういったものは、倉庫の保管費が高くなる。
特殊なケースかもしれないが、私たちの会社の倉庫には、それぞれの棚に、生産管理部門の課長名が、張られていた。「この、山のような不要在庫を手配したのは、こいつらだ!」とでも言わんばかりの、書体だ。まあ、倉庫マネージャの気持ちも、分かる気もする。
【その他】
他にも、購買部門や、人事部門、経理部門がある。向上には、製造管理のほかに、製造技術部、組立、品質保証などあるが、またの機会に紹介させていただく。
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