流々転々ruru-ten-ten
〜ある生産管理部門の担当者〜
1.【あのころの時代背景】
まずは、私たちの会社をとりまく時代背景について説明させていただく。取り扱う製品をご紹介すると、企業を容易に特定できてしまう為に、ニックネームで呼ぶ。
ある、独占的な市場を支配している企業があった。企業「A」としよう。わが社「B]は、その製品の製造を引き受けている5〜6社の企業群のひとつである。わが社「B」は、現在にいたるまでの20年間近く、企業「A」への製品の納入により、大きな、安定した利益を得ていた。しかし、21世紀に入って、自由化の風潮により、企業「A」に構造変更が生じた。企業「A」の売上の減少が始まった。その影響を受けて、わが社「B」の受注量は、減少傾向にあった。
営業部門は、予定していた売上見込みが、達成できない。あせり始める営業。とにかくなんでも売れればいいからと、いい加減な予想見込みを立ててでも、工場に多品種に作らせて、企業「A」の突発的な需要に「はい、いつでも出荷できます」と答えたい営業。営業。増え始める、製品在庫。
工場部門は、かつての時代ほど製造注文がなかなか入らず、工場売上が伸び悩んでいる。工場毎に採算が独立している為だ。工場としての成績をあげるための手段がある。それは、せっせと作って倉庫に入庫さえすれば、工場単体の売上があがるのだ。
このままでは、在庫が一杯になり、売れない不良資産になってしまう!
そこで、生産管理部門の登場である。在庫を適正な状態に保つ為、日夜、営業や工場と戦いつづけるのだ。口八丁手八丁な営業と、強引で怖い工場と、わたし、つまり生産管理部門の担当者との、戦いの記録である。
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